TEXAS FEVER

テキサス・フィーバー
2008 / 34min / カラー / カントリー風



 
STORY

森の中の小さな小屋に住む男。常にカウボーイハットを被り、唯一の友達は愛犬の「モノリス」だけだった。
そんな彼の前にある日突然「デイビッド」と名乗る自称エイリアンの青年が現れる。
久々に見る人間(の姿をしたエイリアン)に戸惑いを覚え、男はデイビッドを避けようとする。
だが、そんなことなど気にも留めず話しかけてくるデイビッドに少しずつ心を開いていく男。

社会から孤立した孤独な男の日常と非日常を淡々と描いたカントリー風ヒューマンドラマ。

PRODUCTION NOTE


『BARIQUANDシリーズ』からの心境の変化
 やりたいことを全てぶちまけた『BARIQUAND2』が10月にクランクアップし、次に撮る作品は是非ともシットリとしたものにしようと考えていた。そんな中、大学同期の仲間による合同上映会『DOZER』の企画が持ち上がってきた。 これは『君を待つ、雨のハイウェイ』を上映した『大間違い』の第二段にあたり、約半年振りに参加する上映会であった。
 『BARIQUAND2』の編集と『侍道3CMシリーズ』の撮影と編集で手一杯だったのと、精神的に追い込まれる出来事がいくつか続いたため、新作の企画立ち上げには時間がかかった。そのような心境の変化もあり、今回の作品には何かしらのメッセージ性を込めようと考えていた。
 当初上がっていた案は、キャスト・スタッフ一切なしで、撮影道具とある程度の食料のみを持ち、山小屋に立てこもって撮影する、という無謀なものだった。もちろんキャストはいないので出演は自分自身、そしてスタッフもいないのでカメラは据え置き、もしくはハンディ、究極三脚にワイヤーをつけて出演しながらパンさせるという手段を検討していた。 これは完全なる社会・生活からの離脱、及び劇映画製作において絶対であった集団制作という囚われへの対立の意を込めたものであった。

 しかし、この企画はあっけなく崩れ去った。それは社会に握りつぶされたのか、それともただ単にこれじゃあ面白くないと気付いたからだろうか。どちらにせよ作品内容は新たな方向へとシフトしていた。
 次に上がってきた案が“環境問題を考える作品”、まさに「今更?」であった。だがさらに事態は悪化する、何を血迷ったのかこの方向性にさらに“エイリアンもの”という余分な要素を込めようとしていたのだ。

『テキサス・フィーバー』というタイトルが意味するもの
 テーマは決まった。方向性も“環境問題を考えるエイリアンもの”という路線でほぼ決定していた。次にタイトル、やはりまだまだβ版のシナリオでも何か呼び名がほしい。そこで付けられたのが『テキサス・フィーバー』、まさかこのタイトルが公開時まで残っているとは誰も予想できなかった。 それでもまだ『テキサス☆フィーバー』にしなかっただけマシだが、ノリだけで突き進んでいたのは明らかでだった。
 こうしてタイトルからイメージしてシナリオが作られた。主人公は常にカウボーイハットを被っている、相棒は犬、ジープを乗り回す、ギターを弾く、等、どれもこれも“テキサス&カウボーイ”への幻想であった。 こうしてシナリオが完成したのは毎度よろしくロケ間近、そこからキャスト二人とスタッフ一人のアポを何とか取り付け撮影に挑んだ。

山の中で撮るということ



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